2024 MiniGPジャパンシリーズ第5戦
2024年9月15日(日)
埼玉県・MotoUP桶川スポーツランド
3年目のFIM MiniGPジャパンシリーズもついに最終戦となるシリーズ第5戦を迎えた。第4戦を終え、優勝しているのは暫定ポイントリーダーの#08知識隼和と暫定ランキング2位の#04国立和玖の2人のみ。シリーズチャンピオンは、この2人に絞られ最終決戦を迎えた。両者のポイント差は8ポイント。MotoUP桶川スポーツランドは#08知識のホームコースでもあり、ポイント的にも有利な状況だったが、何が起きるか分からないのがレース。一矢を報いたいライダーたちも虎視眈々と勝利を狙っていた。
フリー走行
FIM MiniGPジャパンシリーズ最終戦は、9月1日(日)に予定されていたが、台風10号の影響を受け、15日(日)に順延しての開催となった。9月半ばというのに朝から蒸し暑く厳しい暑さとなり、最高気温35度、路面温度は57度という真夏のコンディションとなった。
かくしてフリー走行からチャンピオンを争う#08知識と#04国立がセッションをリードする。1本目、2本目は#08知識が、3本目は#04国立がトップタイムを記録。オーバーオールでは、2本目に#08知識がマークした42秒212がトップ。2番手に#04国立が3本目にマークした42秒331となり、真っ向勝負の様相を呈してきていた。3番手には#10市川速人が42秒613、4番手に#07吉原寅之介が42秒724で続きトップ4が42秒台をマークしていた。
予選
公式予選でも#08知識と#04国立が接戦を繰り広げる。レース1のグリッドを決める予選1では、#08知識が41秒848をたたき出してポールポジションを獲得。#04国立も41秒924をマークし2番手。トップ2のみが41秒台にタイムを入れていた。3番手に#07吉原が42秒242、4番手に#03田中楓人が42秒484、5番手に#10市川が42秒510、6番手に#09真木來人が42秒569、7番手に#02吉村錬太朗が42秒752でとなり、ここまでが42秒台で続いた。
予選2では、セッションが始まると#08知識が#04国立を執拗にマーク。これを#04国立が嫌がり、まともに走らないままピットイン。その後、2人ともタイムアタックに入ると#08知識が41秒969を記録しダブルポール。#04国立は42秒012で2番手となり、あとはレースを迎えるだけとなっていた。3番手には#07吉原が42秒400で続き、レース1、レース2共にフロントロースタート。4番手に#10市川が42秒525、5番手に#03田中が42秒710、6番手に#02吉村が42秒723で続き2列目に並ぶ結果となっていた。
RACE 1
15周で争われたレース1。セカンドグリッドの#04国立は絶妙なクラッチミートを見せるとインにマシンを寄せ、ポールポジションスタートの#08知識に並びかけ前に出るとホールショットを奪う。3番手に#07吉原、4番手に#10市川、5番手に#09真木、6番手に#03田中と続いていく。3コーナーブレーキングで#04国立が突っ込み過ぎたすきを突き、コーナー立ち上がりで#08知識が前に出ていく。オープニングラップは#08知識が制し、#04国立、#07吉原、#09真木、#10市川、#02吉村と続いていく。
トップを走る#08知識はペースを上げると、#04国立もピタリとついていく。3番手に#07吉原も必死についていくが、徐々に遅れていき単独走行となっていく。レース終盤に入ると#08知識と#04国立の差はジリジリと開いていくと、そのままチェッカー。チャンピオンに大きく近づく勝利となった。#04国立は悔しい2位。3番手を単独で走っていた#07吉原だったが、最終ラップの6コーナーで痛恨の転倒。4位争い繰り広げていた4台が3位争いとなり、これを制した#09真木が3位でゴール。初めて表彰台に上がった。4位に#10市川、5位に#02吉村、6位に#03田中と続いてゴールした。
RACE 2
そして今シーズン最後のレースとなるレース2は18周で争われた。好スタートを見せたのは#07吉原だった。トップに立つとオープニングラップを制す。これに#04国立、スタートで出遅れた#08知識、#03田中、#10市川と続いていく。2周目には、#04国立が#07吉原をかわしてトップに浮上。一気にペースを上げて2番手以下を引き離しにかかる。#08知識としては6位以内でゴールすればチャンピオン獲得という状況だったが、勝って決めたい思いが強かったと言う。
3周目の3コーナーで#07吉原をかわし2番手に上がった#08知識は、トップを走る#04国立を追っていく。レース中盤には#04国立と#08知識はテールtoノーズとなり接近戦になると、12周目の1コーナーで狙いすましたように#08知識が前に出ていく。
これがウイニングパッシングショットとなり、#08知識は#04国立を引き離しトップでゴール。見事ダブルウインで2024年シーズンのシリーズチャンピオンを決めた。#04国立は悔しい2位となったが、2回目のワールドシリーズに向けて気持ちを切り替えた。3位に#07吉原が入りポイントランキングも3位となった。
表彰式
レース1 優勝・レース2 優勝 # 08 知識隼和
「レース1はうまく勝つことができたのですが、レース2は、少し緊張もあり序盤出遅れてしまいました。とにかく転倒しないように落ち着いて走ることを心掛けて、レース2も勝つことができたのでよかったです。応援に駆けつけてくれた人も多かったので、勝って決めたい思いがありました。ホームコースで勝ってシリーズチャンピオンを決めることができて、すごくうれしいです。この勢いでワールドシリーズも勝ちにいきたいです」
レース1 2位 レース2 2位 # 04 国立和玖
「フリープラクティスでは、フィーリングは悪くなかったのですが、なかなかタイムを上げることができず予選でも、そのまま引きずってしまった感じでした。レース1はスタートは決まったのですが、3コーナーで突っ込み過ぎてしまって抜かれてしまうなどミスもありました。今回は2レースとも離されてしまい悔しかったですし、シーズンを通しても納得いく結果ではなかったので、気持ちを切り換えてワールドシリーズで勝てるように準備していきます」
レース1 3位・レース2 7位 # 09 真木來人
「予選は、いいグリッドに着くことはできなかったのですが、レース1は、スタートがうまく決まったこともあり良い流れで走ることができ3位でゴールできました。初表彰台なので、うれしかったですし、来シーズンは毎戦表彰台に上がってシリーズチャンピオンを狙いたいです。ワールドシリーズに行きたいですね」
レース1 DNF レース2 3位 # 07 吉原寅之介
「最終戦なので転倒してもいいから優勝を目指して走ろうと思っていました。フリープラクティス1でバイクの調子が悪かったのですが、限られた時間の中でマシンセットを進めていきました。両レースとも、ついていくことができず、とても悔しいです。自分の技術が、まだまだ足りないことも実感したので、もっと速く強くなって来年こそ勝ちたいです」
レポート・撮影:佐藤 寿宏
シリーズポイントランキング結果
2024 FIM MiniGP Japan SeriesポイントランキングTOP3は、1位 189pt # 08知識 隼和、2位 175pt # 04 国立 和玖、3位 114pt # 07 吉原 寅之介となった。
上位2名の知識選手と国立選手は、11月10日(日)〜14日(木) スペインで開催されるMiniGP World Series に参加する。MiniGP World Seriesの160ccクラスは、世界中の各大会上位2名が出場し計44名で競う。予選等を勝ち抜いた上位24名がファイナルの決勝戦に進め、優勝者には次のステップとなる『Road to MotoGP™』のプログラムの選考会参加または、直接の参戦が提供されます。
11月14日(木)の決勝戦は、日本時間 16:50にYouTubeのMiniGP World Seriesチャンネルにてライブ配信予定です。
FIM MiniGP World Series YouTubeチャンネル
2024 FIM MiniGP Japan Series
Round 5 Short Video
Round 5 Digest Video
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